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解体という象徴

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近所にあるビルの解体工事が始まっている。昭和51年に建てられたこの建物は、1階にスーパーマーケットとショッピングモール、2階から上は賃貸マンションという、1970〜80年代当時は、郊外生活における模範的な建物だったのだろう。僕も子供の頃にはよくお使いに行かされたもので、生活に必要なものは一通りここに集まっていたことを覚えている。しかし30数年経った現在、建物の老朽化とともに、ここよりさらに郊外に平屋で広大な駐車場を確保した大型店が一気にできてきた結果、こうなる運命になってしまったのだ。ただこの周辺は、2階建て、あっても3階建てという街並みなので、今となってみては、これまでずっとこの建物だけが浮いていたのかもしれないとも感じる。そして、奇しくも1階が「東京ストアー」(*金沢では有名なチェーン店)という名前の地方スーパーマーケットであったことは、いまが時代の転換期であることを象徴している気がしてならない。

質量保存の法則ではないが、建物を建てるのと同じくらい、建物を壊すことにも膨大なエネルギーが発生する。それが廃墟建築に惹きつけられてしまう理由なのだろう。足元が解放された状態に、コルビュジェの ユニテ・ダビタシオン のような力強さを感じながら、夢中で iPhone にこの姿を収め、こんなことを考えていた。

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No Nukes / Love and Peace

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“No Nukes” も大切なんだけど、それ以上に “Love and Peace” でありたい。
(奈良美智 / In the floating World より)

第6回 金沢創造都市会議 「都市の再創造」

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1日目は、Re をテーマに産業・まち・空間とそれぞれのテーマによるプレゼンテーションと意見交換。2日目の全体会議では、1.金沢21世紀美術館をハブにしたクリエイティブ産業の活性化、2.町家の積極的なリノベーション、3.伝統だけでない生活工芸の産業化、4.長期型工芸ツーリズムという具体的な提言がなされた。
驚いたのは、よくありがちな自分の仕事アピールをしておしまいという、形式的な会議ではなく、豪華なゲスト陣が揃った各セッション共に、真剣な議論が交わされたこと。そして、参加したクリエイターだけでなく、行政や主要企業の社長さん達からも、金沢の町をクリエイティブにしたいという、本気度が伝わってきたことでした。金沢は、歴史と伝統のある街だからこそ、極端な変化はせず、これから少しづつ良い方向に進んでいくだろう。そしてその動きに対しては、自分も建築・不動産という立場で関わっていかなければいけないと感じた。

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決めたこと。

3/11(金)に震災が起きてから、今日で6日間が経ちました。

大きくて強くて長い揺れを感じてからこの間、当初は誰も予想もしていなかった津波被害に始まり、原発事故、計画停電、食料品・医療品の買い占め 等、被災地から遠く離れた東京でも、震災の影響を感じずにはいられない日々が続きました。

僕自身も、twitterを通してできるだけポジティブなメッセージを発信しようとしていたし、いつもより大きなカバンに水、非常食、ノートPCなどを入れて持ち歩いていたし、買い占めとまではいかなくとも、それなりに食料品の確保に奔走していました。たぶん少し気を張って、少し無理をして・・・。

そして昨晩、静岡で震度6強の地震が起きた直後、地震の恐怖とこれまでの震災被害のイメージが一気に襲いかかってきて、僕は正直、愕然としました。明けた今日も、「これって軽いウツ状態なんだろうか?」と思うほど、頭の中がぐるぐるした状態が約半日。その後、気持ちがひと通りピークまで落ちきり、だんだんと思考がクリアになっていく中で、これからは肩の力を抜いてこうすることに決めました。

「必要以上にがんばること」は今日でもう辞め。

余震や原発事故拡大への心配など、まだまだ安心できない日々が続いていますが、今日から僕自身の震災は第2フェーズ。昨日までより、中長期的な視点でモノゴトを考えていこうと思っています。

* TwitterやFBでも話題になった地震3日目のじいちゃんの一言。被災者ではない僕が、逆に勇気づけられました。一昨日に手続きした義援金が、また違う誰かの勇気や元気につながっていけば嬉しいです。そしてまだ、僕にできることがある。

東北地方太平洋沖地震


Live Broadcasting by Ustream

今回の地震では、携帯電話が繋がりにくい状況の中、twitterを通して離れている家族や友人が無事であることがわかるなど、ソーシャルメディアが大いに活用されているようだ。その反面で、職場や自宅などのリアルご近所さんにも、何かできることはないだろうか?と考えている。

東京では、現在のところ電気・水道・ガスというライフラインが確保されているものの、今後の東海沖地震の可能性を含め、いつそれらが遮断されるかは誰にも予測できない。だからこそ、医療や防災関係の専門家はもちろん、自分であれば建築と不動産の専門家として、万が一の際、目の前にいる人たちに何を提供できるかをイメージしておくことは大切だ。災害時におけるいろんな問題に対して、その場にいる各人が持つ知識を集約し助けあえれば、たいていのことは柔軟かつスムーズに解決できるはず。

また、そういう状況で家族の安全を守る、「家づくり」という仕事をしていることに、身震いした1日でした。

どちらにしても、TVのニュースやウェブサイトを通して知る東北地方、とくに太平洋沿岸の甚大な被害は心配です・・・。明日は、今日より少しでも良いニュースが聞けることを祈っています。

犬の気持ち。

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これまで犬を飼ったことのない僕ですが・・・、Do One Good での活動や dog actually というブログ、そして職場にいる社長の犬(上の写真)との関わりを通して、最近、犬の気持ちが少しずつわかってきたような気がしています。

とにかく大事なことは、『犬は犬であり、人間でもぬいぐるみでもない』と認識すること。

人と犬が暮らし始めたのは約2万年前と言われていますが、犬(オオカミ)が種として独立したのは約700万年前。したがって、現代社会では家族の一員として迎えられている犬も、オオカミのように群れで暮らしたきたDNAは簡単に無くならないようです。だからこそ、飼い主はもちろん、犬を飼っていない僕のような人達も、犬と共生するためのマナーは知っておくと良いと思います。
例えば、盲導犬に触っていけないように、犬OKのカフェで大人しくしている犬にも、触ることを控えたほうが良いです。それは触ることで、犬の気が散ったり、テンションが上がって吠えてしまったりして、飼い主だけでなく、お店や店内にいる人達に迷惑を掛けてしまう可能性があるからです。

ちなみに「犬を飼いたいか?」と聞かれれば、もちろん「Yes」です。ただ、ひとり暮らし&家にあまりいない僕では、犬を飼うことによる様々な責任を負えないので、早くても数年先の話になりそう。

最後に宣伝。Farmer’s Market @ 国連大学前 で定期的に開催している Do One Good PARK が今週末も【 3/5(土) 12:00〜 】開催予定です。最近は自分の仕事が忙しくて関われていませんが、健全で持続可能な「ヒトとイヌが出会う」として、保護犬の里親会を行っていますので、興味のある方はぜひ足をお運びください。

横浜F・マリノスの戦力外通告について考えたこと。

時事ドットコム:松田、山瀬と契約更新せず=Jリーグ・横浜M

横浜F・マリノスの戦力外通告が波紋を呼んでいる。チーム経営上の苦渋の決断だとしても、これまでチームを支えてきた主力選手の放出はチームにとってもマイナス面は少なくない。そして今シーズンオフは、横浜の他にも、清水エスパルス、浦和レッズも来シーズンに向けてチームの大刷新が行われるよう。監督や選手は去ってもチームは残る。経営面も大切だけど、そのチームを愛するサポーターを第一に考えたフロントのあり方が問われている。

それにしても、山瀬っていい選手だな。ドリブル・パス・シュート、どれを取ってもアグレッシブで、とにかくボールを前に進める意識が高い。

山崎亮の仕事術

講義の中で何度も出てきた「公共的な事業」という言葉。この言葉が、山崎亮さんの仕事とこれからの まちづくり の可能性を言い表しているように感じた。

私見では、これまでの まちづくり は、行政に頼るもの、もしくは民間企業の開発によるものがほとんどだったと思う。しかし、行政組織が形骸化し、経済も低成長化時代となった今、浮き上がってきたのが、その地域に住む、住民ひとりひとりの潜在的な力。事例として上がっていた「有馬富士公園(兵庫県)」や「マルヤガーデンズ(鹿児島)」では、住民の力をひき出すために、行政や民間企業が持つ資金や枠組みを大いに活用し、事業者・住民それぞれが win-win の関係になっていた。これが従来の「公共」ではなく、『公共的な』という言葉が意味することだろう。

見方を変えると、行政も民間も実体の無い組織。時代や価値観の変化によるところもあるが、空間やモノではなく、これからはとくに『人』の魅力のほうが圧倒的に人を惹きつける。また、身近な事例では、青山の国連大学前やGYREで毎週末開催されている「ファーマーズマーケット」や一時問題となった「宮下NIKEパーク」と比較することでも、『公共的な』という言葉への理解が深まる気がしている。

そして、「公共的な事業」には欠かせない、事業プロセスとその運営・管理におけるファシリテーター・コーディネーターの役割も見逃せない。第三者な視点で、そのコミュニティに入り込み、住民の力を引き出し、導いていく役割は、まちづくり以外の分野でもこれから求められる職能になってくるはず。

山崎亮さんとその仕事には、これからますます目が離せなくなりそうだ。

・・・セミナー全体も、1時限目の講義、2時限目のNHKトップランナー的な公開インタビュー、3時限目の「自画自賛(BYO)」ワークショップ、そして放課後の懇親会と、素晴らしい企画と盛りだくさんの内容で、たくさんの刺激と感動をもらいました。山崎さん、関係者の皆さん、ありがとうございました。

FUJI ROCK FESTIVAL ‘10 | CABARET FIESTA “HAVANA NIGHT”

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2年目のフジロックも CABARET FIESTA のスタッフとして参加しました。毎年変わるテーマ(店名)は、昨年の Café de Paris から、HAVANA NIGHT となり、キューバ料理とモヒートを柱にした店作りに。また個人的にも、今年は事前準備から関わっていたぶん、昨年とは違うスタンスとモチベーションで、たくさんのことを感じ、経験した、濃密な3日間となりました。

例えば、メニュー構成、フード・ドリンクのオペレーション、シフト組み、ポップ、呼込み、在庫管理システムなどなど、お店を動かす要素はたくさんあるけれど、こういう短期決戦で必要なのは、なんと言ってもチームワークだと実感しました。一人一人が自分の仕事をこなすだけでは不十分で、オーダーの込み具合や他スタッフの状況を感じながら、常に丁寧な仕事と+αの動きができるかどうかが店の雰囲気や売上にも影響していたんだろう。そういう意味では、1日目、2日目、3日目と徐々にチームワークが上向いていく様子は目に見えて感じることができ、これで終わってしまうのが残念に思えるほど!

スポーツだけでなく、職場や仲間、家族の間でも、人が集まればそれはチームとなり、ひとりではできない大きな力を生み出せる!・・・それが今年のフジで学んだこと。やっぱり、 “One for All, All for One. ” だったんだな。

「四国らしさ」ってなんだろう?ノート

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先日もらったこの小冊子。いわゆる大都圏ではなく、イギリスの中の「スコットランド」や東アジアの中の「台湾」と暮らし方や働き方を比べることで、日本の中の「四国」らしさを探ろうというもの。ある一定の価値観をベースにするのではなく、多様な価値観をそのまま受け入れることで、地元意識を相対化してみること。そして、4県それぞれの県民性+『四国人』の視点を持つことが、新たな発見や共同体意識につながっていく・・・。石川県出身の僕であれば、石川・富山・福井(北陸三県)の『北陸人』の視点を、これからもっと意識してみようと思った。

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