Home > IGLU kanazawa > 解体という象徴

解体という象徴

tokyo-store-01

近所にあるビルの解体工事が始まっている。昭和51年に建てられたこの建物は、1階にスーパーマーケットとショッピングモール、2階から上は賃貸マンションという、1970〜80年代当時は、郊外生活における模範的な建物だったのだろう。僕も子供の頃にはよくお使いに行かされたもので、生活に必要なものは一通りここに集まっていたことを覚えている。しかし30数年経った現在、建物の老朽化とともに、ここよりさらに郊外に平屋で広大な駐車場を確保した大型店が一気にできてきた結果、こうなる運命になってしまったのだ。ただこの周辺は、2階建て、あっても3階建てという街並みなので、今となってみては、これまでずっとこの建物だけが浮いていたのかもしれないとも感じる。そして、奇しくも1階が「東京ストアー」(*金沢では有名なチェーン店)という名前の地方スーパーマーケットであったことは、いまが時代の転換期であることを象徴している気がしてならない。

質量保存の法則ではないが、建物を建てるのと同じくらい、建物を壊すことにも膨大なエネルギーが発生する。それが廃墟建築に惹きつけられてしまう理由なのだろう。足元が解放された状態に、コルビュジェの ユニテ・ダビタシオン のような力強さを感じながら、夢中で iPhone にこの姿を収め、こんなことを考えていた。

tokyo-store-02

tokyo-store-03

tokyo-store-04

tokyo-store-05

tokyo-store-06

tokyo-store-07

tokyo-store-08

Comments:0

Comment Form
Remember personal info

Trackbacks:0

Trackback URL for this entry
http://blog.iglu.jp/2012/06/24/building-demolition/trackback/
Listed below are links to weblogs that reference
解体という象徴 from IGLU blog

Home > IGLU kanazawa > 解体という象徴

Search
Feeds
Meta

Return to page top