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最後の冒険家 | 石川直樹

冒険と旅という似て非なる行為。文中では、その違いをジャーナリストの本田勝一氏による「命の危険性」と「行為の主体性」の2つの言葉を引用している。

そして、その2つに「行為の身体性」という言葉をもう一つ付け加えると、個人的な理解はより早くなる。誰も成しえていない行為であるからこそ、冒険と呼べるわけで、例え最新鋭の機器があったとしても、事前にどれだけ入念な準備とシミュレーションをして臨んだとしても、その過程には常にトラブルが付きまとう。それゆえに、本当に頼りになるのは、「自らの身体感覚と判断力」なのだろう。熱気球ならば、バーナーを操る力、風や高度を読み取る力。そして何よりも強い精神力。その辺りは、著者が2004年の第1回の挑戦パートナーでもある、石川直樹さんであるからこそ、リアルに、そして冷静に伝わってきました。

ガガーリンやアームストロングの時代は別としても、今まさに宇宙にいる若田さんを始めとしたNASAの宇宙飛行士達でさえ「冒険家」という言葉は適切ではない。そんな冒険家不在の現代において、約1年前の2008年1月31日に日本からアメリカに向け、単独、熱気球で飛び立ち、翌2月1日に太平洋上空からの連絡を最後に消息を絶った神田道夫さん。

同時代に生きた日本人として、その存在を知れたことを嬉しく思いました。

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