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「新しい郊外」の家

建築に関わる仕事をしている僕にとっても、初めて会うクライアントから、その人なりのライフスタイルや住まい対する思いを聞くことは、とても好きな時間。ただ、それを実際に作り上げて行く過程では、予算や法規、スケジュール、思いもよらないトラブルなど、乗り越えなくては行けない壁が必ずと言っていいほど出てきます。

まさに『房総の海辺に土地を買ってしまった。』ところからはじまる「房総の馬場家」のストーリーには、そんな壁をも本にまとめてしまう建築家である馬場さんのバイタリティと、施主である馬場さんの波瀾万丈(!?)の半生とが入り交じり、両方の視点から、等身大で住まいに向き合うことの楽しさや面白さを感じさせてくれます。

読み進んでいく中で、新しい視点に気付かされたり、勇気づけられたり、そして何故だか急に目頭が熱くなったり・・・。こんな建築の本は初めてでした。

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